満たされないままに満たされる。エモーション・シンドローム

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今回の記事は5月にアザミが発売した1stアルバム「エモーション・シンドローム」について書いてみるとする。アザミについては以前のトマト組紹介記事で軽く触れてますので、未読でしたら是非目を通して頂ければ嬉しいです。
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(http://yumozi.hatenablog.com/entry/2020/05/04/203925)

さて今回、いわゆるCDレビューという形になるんでしょうが、筆者の音楽知識の無さといったらマジパネェってなもんで、浅いところでわかったような記事になる可能性が大であります。
それがどうした知ったことか。書きたいから書くのだ。俺はエモーション・シンドロームのCDレビューをするぞ! 書くぞ! そのためだけに全てのノイズを殺してきたのだ!!


と、意気込んだもんだが実のところ、「この曲が良かった!」とか「この歌詞がアザミらしくて良い!」とか、そういう話をするつもりは無い。もちろんそんな感想はアリアリでありまくりで自分の中で渦巻いておりますが、あくまでこれはエモーション・シンドロームという存在と対面した筆者の飯田についての話になる。そういう気分なんだすまん。
「それってCDレビューって言うの?」うるせぇ俺の宇宙では言うんだよ。じゃあ始めましょうかマジカル☆CDレビュー。
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さる2020年の5月5日、アザミのエモーション・シンドロームが発売された。
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アザミ/1st Album「エモーション・シンドローム」CD | トマト組
https://booth.pm/ja/items/2040955
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自分がこのCDを買った理由。アザミの曲と歌声が好きだから、というのが大前提ですが、それ以外にも理由があります。
自分は基本的に生配信あんま見ぃへんから、ファンと自称するのも許されないファン以下のニワカでしかないのやけど、それでもいつも動画やTwitterで素敵な音楽を届けてくれる彼女に感謝の気持ちを還元したい。みたいな所はありました。
俺が一枚買う程度じゃ大して彼女の懐が潤うわけじゃないってのは分かりきってるけど(そもそもアルバム一枚1800円とかクソ安い)、それでもアザミのために何かしたかったし、それが出来る機会だと思ったのである。対岸で想うのに難解なことはいらないんだよ。

こうして私はエモーション・シンドロームを買った。届いた。聴いた。



満を持してアルバムを一周聴いて痛感した感想がこれです。

「"アザミのために何かしたい"? なんだそりゃ知らねーよ!? 知ったこっちゃねぇな! これは俺が!! 俺のためだけに買ったCDだ!!!」

……どうか浅ましいと見捨ててほしい。ええ。あまりにも独善的な感想に至りましたのだ。プッツン気取りの僕や君は誰かのために何かが出来ない。

それほどまでにエモーション・シンドロームは名盤だった。そう、名盤。大名盤。名盤の基準っていうのは幾ら売れたかでもどれだけ認知されてるかでもない、例え世界中に否定されようとも俺だけは絶賛してやるって確信できる一枚のことだ私が決めた今決めたー。
syrup16gのHELL-SEE みたいに ワールズエンドガルフレンドのHurtbreak Wonderland みたいに 七尾旅人の雨に撃たえば…!disk2 だって サンタラのIt's So Easy はもちろん ネクラポップネクラポップリリイ・シュシュの呼吸 のように何年何十年経っても心の中で再生できる。下手したらアイデンティティに同化してしまいかねない、そんな危ういまで盤石な精神の拠り所となってしまう一枚、それが名盤だ。
「名盤にかまけて自分が大好きなアルバム羅列したかっただけじゃねーか」とツッコまれたら、まあ、その通りですと白状するほかないんですが、とどのつまりいつか私がまた一人名盤羅列大会を開催した時、間違いなくこの中にアザミのエモーション・シンドロームが加わるのは間違いない。


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アルバムが発売されてかれこれ2ヶ月以上が過ぎようとしているが、毎日聴いている。ヤバい。全然飽きる気配がない。昨日も今日も明日も明後日もエモーションをシンドロムってる。
思えば若い頃はだいたい風呂上りに歌詞カード眺めて音楽聴いてたものだけれど、もうそんな習慣を失くして久しい。今じゃあ音楽を聴くってのはYouTubeの動画か車のカーステがほとんどだ。音楽を聴くことに対しての真摯さが、情熱が、昔ほど持てなくなったのは確かなのである。そんな体たらくな私にエモーション・シンドロームはグッサリと突き刺さった。どうしたものか突き刺さって一向に抜ける気配がないんだ。最高。



話は逸れますが、いやなんか最初っから全力で逸れてるような気がしないでもないですが、私のスタンスとして紹介記事は、「知らない人に知ってもらいたい」という想いで書いてるケースがほとんどである。だがしかしこれはCDレビューでマジカル☆CDレビューだ。
今これを見た人がアザミを知ってようが知らまいが知ったことかという想いで書いている。むしろまだアザミを知らない人に対して「あっそ。ふーん、そうそうベイビー、俺はアザミのエモーション・シンドロームを聴いたし聴いてるよ。いいだろ? 羨ましいだろ? ハァーッハッハッ!!」というコミュニケーション不成立上等で見当はずれの自慢したいだけまである。そうか自慢だわ。得心いきました。この記事、レビューでも何でもない、ただ単に私が(7月27日現在トマト組のboothで1800円で誰でも普通に買える)エモーション・シンドロームを聴いているという自慢話以外の何物でもないっスわ。道理で読み返すとちょくちょく文章が感に触るわけだ! 納得!

病的情動のなすまま書ききって、果たして本当に肝心の音楽内容が微塵もわっかんねー事態となりましたが、私は満足です。ラストシーンに花束を。
ではでは皆さんおやすみなさい。明日もアザミを聴くぞ。いいだろ羨ましいだろ。
エモーション・シンドロームなんてはじまりにすぎないのだ。





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